インド滞在記(2)
インド2日目の午後は、霊鷲山という所へお詣りに。ここは御釈迦様がよく説法をされていた場所で、「鷲が羽を広げているような地形」の山の上です。前回も訪れたのですが、その時は暗くなりかけており、父が「何かでると危ないから、今日は下から見るだけにしよう」とパスした場所でした。今回は約30分の登山(道は整備されています)。入口近くには屋台がたくさん出ていて、お数珠とか「それっぽいもの」も売られているのですが、それと一緒に「プラスチックの車の玩具」とか並んでいて、観光地化していることが伺えます。また、杖を貸そうか?とかバクシーシ(物乞い)とか。足が極端に細かったり、膝から下がない人が他の場所よりも多かったような気がします(歩く、を意識するから?)。
途中では五体投地しながら進んでいく一団あり、揃いの衣装で歩いている人あり、ハヌマーンラングール(神の使いとされる猿)あり、山羊や犬猫ももちろんおりました(牛はいなかったと思う)。いろんな国からの参拝団が混在しており、私達が山頂へ着いた時にも、どこかの国の一団が法要(読経)を行っておりました。10分ほど待って場を譲って頂き、我々もお勤め。今回は超宗派(浄土宗だけではない)での参拝なので、般若心経とお十念(それでも浄土宗の方が多い)を読誦しました(般若経や浄土のお経を御釈迦様がどう感じるかは置いておき)。丁度おわったところで、現地のお坊さんが「ジャパニーズ、ドネーション、オフセ1万円。」と声をかけており、私も素直に一千円をお供えしてきました。
場所が空くのを待っている時、そしてお勤めが終わった時に景色を眺めると、ジャングルではあるのですが同時に「ああ、父もこの景色を何度となく見たのだろうな」という思いが自然と湧き上がってきました。彼が最初にインドへ行ったのが確か二十代の終わり。その時に来たかどうかは不明ですが、勿論その後、何度も訪れたことでしょう。時を共にしなかったにせよ、同じ景色を見るというのは追体験だなぁ、私も同じ場所に来ましたよ、という感慨が大きかったです。
その後、ビンビサーラ王の牢獄跡地、竹林精舎(ライトアップされて公園になっている)を訪れ、ガヤへ。今度こそ暗い道をバスで飛ばしていくのですが、どうやら「ツーリスト」のバスは優先権があるようで、かなり派手な(そして独特な)クラクションを鳴らしながら「どけどけー」と。普通の「ブー」というのだけでなく「パラリラパラリラ」という感じの2種類を、シク教徒?のドライバージー(おじさん)が使い分けていました。
翌日からはいよいよメインのイベント、「日本寺創立50周年式典」となります。ホテルで分骨をしっかりと確認し、「いよいよですね」と声を掛けて床につきます。