アートの役割

 先日(月曜日)、ラジオで「アートとは何か」という番組をやっていました。仕掛けは京都の某芸術大学。昨年から私も気にして資料を取り寄せたりしているところです。彼の大学のホームページを見ると、通信制で芸大、「手のひら芸大」をキャッチフレーズに、多分「生きるためのスベ(の一つ)としてアートを学びましょう」と主張していると思います。
 今回は朝の9時から夕方まで、さまざまな講義があったのですが、畢竟「アートとは、自分と対象との間に成立するものの見方」であるようです。これは「アート作品」と「アートというはたらき」を区別するとことから生じているようです…と言ってスンナリと進んでしまうのは、絵画とか彫刻だけでなく、似たはたらきの既視感があるからです。それは「やまとうた」。古今和歌集です。もう何回か引用したはずですが、改めて。

やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり

wikipediaより

 ということで、「やまとうた」は「見るもの聞くもの」のうち、「心に思う事」を言い出したものだというのです。作品や対象を見ても、その人の心に留まる事柄は千差万別。しかしそれ自体がアートでありやまとうたである。共に「世界をどう見るか・どう切り取るか」なのです。

佐藤良文

あ…アートとは何か?でここまで量を使ってしまいました。続きは近日中に。

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