親が鍛える

 夏休みということもあり、以前から気になっていた「ユダヤ人の成功哲学」について、軽く本を読んでみました。イメージとしては「何でも、ユダヤ人というのは優秀で、学者とか大金持ちになる人が多いんだそうだ。アメリカの有名な何とか大学は、30%ほどがユダヤ人だそうな」とか「とにかく徹底的に議論を仕掛けてきて、何でも神様を論破する話もあるそうだ」ということで、謎な人たちです。しかもどうやら、人種とかの問題ではなく「ユダヤ教を信じる者=ユダヤ教徒を、ユダヤ人と呼ぶ」そうで、何だか色々と大変なようです。

 さて、私は今回「タルムード」という書物の解説(みたいなもの)を読み進めたのです。どうやら、「昔々、神様は〜」「昔々、ある王様が〜」「ある動物が〜」といった例え話がたくさん収められていて、「お母さんがこども達に話して聞かせ、その後質問する・議論する」という伝え方がされているんだそうです。

お話が終わって、「さて、どうして神様は〜っておっしゃったのかしらね?」とか。

 そして子どもは一生懸命考えて、理由を話してみる。お母さんが再度コメントする。また子どもが考える…その中で、ユダヤ人としての価値観とか信仰心とかを(多分)養っていくのですね。つまり日常に議論がたくさんあって、お母さんから見れば子どもを鍛えている。これって凄くないですか?

仏教でも、例え話を以って語られることは多いけれど、結構シンプルというか抽象度の高いものが多いですね。「命を大切にしないといけないよ」とか。(これは私の読み取り力不足?)

それがどうやら、ユダヤではもっと現実的というか具体的な教えのようです。「金の冠をかぶった雀の話」という有名なのがあるんですが、要するに「金目のものをひけらかすな・金があることを見せびらかすな」というもの。その他にも、「利益を上げるなら、少額でもすぐ手に入るものにせよ。それを積み重ねよ」みたいなものもあるようです。
 お母さんは、そういった価値観(というか教え)を、寝る前の親子の時間に伝えるのですね。とても意識的に!。
 翻って、日本の「寝かしつけ」シーンはどうなっているでしょうか。遥かに穏やかに、のんびりしていることと思います。「可愛かったね」「あー、勧善懲悪で良かった」程度で、振り返りをすることは殆どないんじゃないでしょうか。
 ただ、ユダヤの歴史を少し知ると、厳しい環境の中で「自分たちが生き延びるためには、これが必要だ」と、武器を磨き続けてきたことが伺えます。将来、グローバルになって、日本の子たちが、その人たちと伍していくのは…なかなか大変だろうな、と思います。
 せめて、その人たちの考え方の基本やバックグランドを知ること、学び続ける決意がなければならないんだろう、と思うのです。

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