声を聞いて

 今日のお勤めでは、小さい子が2人。あの年齢ですと、「寝てしまいました」であれば静かなのですが、お経の時間中おとなしくしているのは、なかなか大変だろうと思います。
 案の定(?)、途中で泣き声が聞こえてきました。飽きたか疲れたかしたのでしょう。甘えようと思ったけれど受け入れられなかったのかも知れません。

「もしかしたら、この雰囲気に違和感を感じているのかな?」と思いました。幼稚園の子どもでも、慣れていないうちは気圧されたように泣き出す子がいるのです。しかし、お経中ですから「面白い話」をやりだすわけにも行きません。

お勤め中だというのに、ずいぶん色んなことを考えているな。邪念か?(笑)

迷ったあげく、「優しい声でお経をあげよう」と決め、具体的な意識はしていないのですが、穏やかに、子どもを抱っこして寝かしつける様子を思い出しながら、お経をあげました。すると…しばらくして泣き声が止み、(おそらく親御さんと)私もホッと一安心しました。

 お勤めが終わったあと、お施主さんより「お経の声が一段うまくなったというか…優しくなりましたね。スーッと入ってきました」と言ってくださいました。おそらく件の心がけが、声の違いになって現れたのでしょう。基本的には「なるべく緊張感を持って、声を張る」と心がけていますが、今日は確かにその基本を外しておいたのです。そういうことって伝わるんだ…と何だか嬉しくなりました。表現力がついてきたのかな。

こういう事を伝えてくれる檀家さんはありがたいね。それこそ、長い付き合いだからこそ気づいてくれたんだろうね。有難いとは、こういうことだね。

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