花まつり
幼稚園でも新学期が始まって、最初の行事「花まつり」を行いました。年少さんにとっては実に「入園2日め」です。舞台の照明もやや落ちて「静かにお祈りしましょう」というのは、もしかするとハードルが高いかな?と思っていたのですが…。
意外に、と言うと子どもたちに失礼ですが、全体としてとても落ち着いた雰囲気で進めることができました。私は幼稚園では園長ですので、「お釈迦様は、不思議なことに生まれ出てすぐに7歩歩いたんですって。そして、天と地を指差して、こう言ったんですって」と、「天上天下唯我独尊」の話をします…
この言葉もまた、いろんな解釈や下の句があるんだよね。まぁ赤ちゃんが喋ったというのは科学的にアレだとしても、その下の句で「どうして尊いのか」が描き出されるわけだから、この句だけて云々は難しいよね。
はい、興味のある方は調べていただくとして。今日はこの上の句の解釈あれこれを書いてみたいと思います。
まずこの言葉の「独」というのは、ある漢本に特有のもので、多くはどうも「為尊」のようなんです。「独」というのは「自分だけ」という意味ですけれど、他の仏教の考えとマッチするように解釈すると、「お釈迦様だけ」というニュアンスは後退するように感じるのです。
つまり「天上にも天下にも、あらゆるところの中で(他の人たちは未だだけれど、自分はお悟りを開いたのだから)尊い」という捉え方はもちろん可能だと思うのですが、もう一つ、「天上でも天下でもない中道にいるから尊い」というのもあるのです。
さらにもう一つ、「私という人間は世の中にただ一人だけなので、尊い」という考え方も(いつからか)あります。幼稚園ではよく、この話し方をしています。
何れにせよ、「何を尊いとするのか」は仏伝の作者によって異なるようです。悟りを開いたからか?中道を見つけたからか?世界でただ一人だからか?どれも説得力があるように感じます。結局、「自分としては、この言葉から何を感じるか」が大切なのではないかと思います。私はこの「中道を行く者が尊い」が結構気に入っています…。