いだかれて

 先日、色々と忙しい時期がひと段落したので、日帰りで「谷川岳ロープウェイ」へ行ってきました。今年の気候のありがたさで、山を歩いていれば少々汗ばむほど。バトミントンまでできてしまうという風のなさ。とっても穏やかで爽やかな1日を過ごすことができました。

 くだんのロープウェイは、約2400mもの道のりを15分で結んでくれ(最速運行の時は7分らしいです)、周りの景色も堪能することができました。連休中ではあったものの、さほど混雑もなく快適でした。何より景色を見て「おおー」とか言っている人たちと共感できるのが面白かったです。

 その後さらにペアリフトに乗り、天神平まで行きました。本格的な登山に向かいそうな装備の人たちもいる中、子連れのファミリーでも十分に360度の景色を楽しめます。山頂もほぼ無風で、ノンビリじっくりと景色を眺めることができました。そう、「何かを探して見る」のではなく、文字通り「目に任せてぶわーっと見る」感じです。落葉したであろう木、色づいている木、まだ緑のままの木、赤い木の実や遥かに連なる山々。幾重にも重なる稜線は、カメラには捉えられない(であろう)グラデーションを示していました。

 さて、こういった場所では、基本的にワタクシ、単独行動が好きなんです。好きな場所も人それぞれ、好きな景色も帰路の取り方時間の使い方も。なので妻子とは相談の上、別ルートで降りていくことにしました。彼女たちはリフトで、私は「ハイキングコース」です。歩き始めると結構な斜度で、すぐ「前にも後ろにも人が見えない」状況になりました。暖かくて明るいお日様、そのシルエットになっている木々や草たち。もう間もなく冬になるのでしょうけれど、みなキラキラと綺麗でした。フト道から少し外れて寝転び、目を閉じて音を聞き、匂いと熱を感じて過ごしました…まぁ露に濡れましたけど。何とも言えない安心感。「自然にいだかれる」ひと時を過ごしたのだと思います。

不思議でした。足で踏んで歩いているだけとはまるで違う、いだかれている感覚。まさか東京の道端で寝転ぶわけにもいかないので久しく行っていませんでしたが、布団に寝ているのとも全く違う感じ。とっても安心感があったのです。お天気のせいか?

 ということで、「いだかれる」経験を久しぶりにした(というか、言語化して意識した?)訳ですが、非常な安心感があり、気持ちよかったです。帰りの車を運転しながらそれを思い返していたら、「そういえば音楽にいだかれる、という感じもあるなぁ」と思い立ち、クラシックをかけてみました。やっぱりスゴイ安心感。何というか調和みたいなものがあって、「自分がここで受け取っていていいのだ」という「許された感」あるいは「その一部なんだよ」「味見していいよ」といった感じ…うーん、もう少しいい言葉がないかな、ですが

 今回はチャットGPTには何も聞かず、この感じを言語化しないまま暫く楽しもうと思います。

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