英訳にご用心
ご存じである方からは「何を今更…」ではあるのですが、他言語からの訳って難しいですね。先日、藤井隆英さんという方の説明を見て、とても腑に落ちました。
ちなみにキリスト教の信者は、キリスト教のみがRELIGIONであるととらえています。ですので他の宗教は、「宗教」という分類でなく、「ISM:主義」という分類になります。仏教が「BUDDIZM(ブッディズム)」というのはこのような理由です。それは例えば民主主義や社会主義という意味合いの「主義」と同じようにとらえられているのです。
ここより〜「今すぐ使える【宗教】の意味」
なるほど、製作者の常識(=キリスト教者である)ことが影を落としているのですね。彼らからすると「3大宗教」というの自体が成り立たない…あるとすれば「キリスト教A派・B派・C派」といった内部のはなし、さながら「仏教のうちの浄土宗、天台宗、曹洞宗」という感じなのですね。彼らからすると多分、仏教とか眼中にない。
ということは、よく言われる「What is your religion?」に対して「No, I don’t have. I am Buddhist」と答えるのは何ら問題ないことになりますね…ただし、仏教もキリスト教と同様の機能を持っていると説明しなければなりませんが。
例えば「世界はどのように構成されているのか?」は「因縁によって成り立っています」だし、「人は死んだら天国へ行くのか?」は「宗派によって考えは異なりますが、死んだら全てが終わり、とは考えていません」とか「愛には最高の価値があるのか?」「いいえ、それは執着の元になり得るので必ずしも価値があるとは言えません。縁起の上に価値があることから、愛に”絶対的な価値”はないと考えます」とか「世界の創造主はいるのか?」「縁起によって成り立っているので”唯一の創造主”はいないと考えます」
いやー、今書いていて改めて思いましたが、「〜と考えます」なのね、仏教って。つまり「原則は教わる。具体的には自分で考える」ということだ。一言で言えば「自灯明・法灯明」。きれいにまとまりました。
追記
そして以前書いたことがあるような気もするのですが、辞書といえば「ヘボン式」のヘボン先生。明治学院大学にアーカイブがあるのです。以前は閲覧した気がする…のですが…今は一般非公開になっていますね。残念…こちらでも、当時の渡来者が日本文化をどう言語化していたのか、版を追うことでその遍歴さえ見られて、とても興味深かったのですが。