夏の思い出
もう軽く10年は昔ですが、私も「お寺の青年会」会員として、いろいろと活動していた時期がありました(浄土宗では43歳までが青年です)。その中で「子どもサマーキャンプ」という活動があり、お檀家さんのお子さんが参加してくれていました。
その方(もはや30代半ばだそうです)が「お盆の入りですから」とお参りに来られました。そして、「そういえば、聞きたかったことがありました。あのサマーキャンプで飲んだレモネードがとても美味しくて、どこでどうやって作ったんだろう、夏になると飲みたくなるなぁって、思っていたんです」とのこと。山でも海でもたくさん遊んで、戻ってきた子どもたちに麦茶とレモネードを振る舞っていたのですが、やっぱり「甘い物の記憶」は強いのでしょうね。「何杯でも飲みなよ」と、おかわり自由でもありましたし。
「あれ、オリエンテーリングみたいに(スタンプラリーでした)歩き回って、ゴールした後で飲むのが美味かったんですよねー」と語る彼に当時の面影はありませんけれど、穏やかな楽しい思い出として私たちの活動が彼の記憶に残っていること、そして「あのお坊さん(Sさんという私の先輩です)、お元気ですか?」と、ちょっと大人として肩を並べるようなことを言っていたりして、感慨深かったです。
あのレモネードは、高級品でも何でもなく、粉を水に溶いただけではありました。けれど、あの時の私たちにとって「他のどこにもない飲み物」ではあったのだろうと思います。いずれにせよ懐かしい思い出です。